ご挨拶

国際法学会は、日本の国際社会への参入に伴い発生する条約締結、戦争をめぐる諸問題などの国際問題の研究を推進し、国際法の普及をはかるために、1897年(明治30年)に創立された法律分野ではわが国で最古の学会です。早くも1902年(明治35年)に学会誌(国際法雑誌,1912年(大正元年)国際法外交雑誌と改称)を発刊し、狭い意味における国際法学のみならず、国際私法学や国際政治・外交史の研究者をも糾合する、国際関係法学に関する中心的学会となっております。1941年(昭和16年)には財界等多方面の援助を得て、財団法人となり、今日に至っております。
  現在会員数は1000名を数え、その約1/3が大学院生・助手などの若手の会員です。従って、家族的な学会運営からこのような、若い人たちの大学会に相応しい学会運営を心がけて、歴代の執行部が数々の学会改革を行って参りましたが、法科大学院の新設など、国際関係法学をめぐる環境の変化に合わせて、財政問題、法人問題をはじめ、さらなる改革が要請されており 、現在もなお新たな改革を模索しているところであります。
  従来の国際化からグローバル化への社会の急速な進展につれて発生する国際関係法に関わる問題も新たに多数発生していることに鑑み、一方では、日米加豪4カ国を中心とする学会間の国際的協力体制をさらに推進するとともに、他方では、伝統的な分野における専門的研究を真摯に実行することにより、今日的諸問題を法的に実効的に、かつ深い学問的成果に裏付けられた解決の在り方を見いだすこと、また、学問的成果を社会に還元する事業を展開することにより、あるべき国際社会の在り方、ひいてはあるべき日本の在り方を模索することを念じております。
  本ホームページは、法学系の学会としては比較的早くに、まず会員間の切磋琢磨の手段として開かれたのですが、同時に世界社会に対して国際法の専門的成果を発信するものとして運営されてきております。折に触れたアクセスをお願いするとともに、今後も、本ホームページの充実が、国際法学会の本来の目的にも適合するものと考えておりますので、忌憚のないご意見、ご批判を賜れば幸いに存じます。

 


2006年10月

国際法学会理事長
櫻田 嘉章

[2008年3月15日訂正]