国際法学会の創設
国際法学会は、1897年(明治30年)3月4日に創設された、法学分野において日本で最も古い学会です。近代日本が国際社会へ参入し、国際秩序を学び、また主体的に関与していく必要性が高まる中で、国際法学の基盤形成と知の共有をめざして設立されています。当初の目的として「国際法の研究、国際知識の普及、改正条約の研究」が掲げられ、研究者に限らず外交官や司法官等も含む幅広い層がメンバーとなっていたことが指摘されています。
学会誌の刊行と他の出版物
国際法学会の中核的な活動として、機関誌を継続的に刊行しています。1902年(明治35年) に学会誌『国際法雑誌』が創刊され、1912年(大正元年) には『国際法外交雑誌』へ改題されました。以来、同誌は、国際法・国際私法・国際政治/ 外交史の研究成果を継続的に公表する媒体となっています。『国際法外交雑誌』のバックナンバーは、 全国の主要図書館の他、オンラインで閲覧(学会 HP の国際法外交雑誌ページにリンク) することも可能です。
この他、本学会では、研究調査に基づく出版物や国際法に関する知的蓄積を広く社会と共有する出版物も刊行しています。創立75周年を機に出版され、後に改訂・改版されている『国際関係法辞典』(三省堂、第2版、2005年) や、創立100周年の記念出版事業として企画・公刊された『日本と国際法の100年』(全10巻)(三省堂、2001年) などがあります。
学会活動の定着・拡充
学術的な交流を進める研究大会の開催は、長年の学会活動の原動力となってきました。 当初は東京を中心に毎月の例会が開催されていましたが、戦後は研究大会を年に2回、 東京および関西または他の地域で、大学の持ち回りで開催するようになり、全国的な規模で学会活動が行われるようになりました。2012 年からはコンベンション方式を採用し、翌年からは研究大会の頻度・期間を年1回の3日間に変更し、現在に至っています。
本学会は、国際的な学術交流にも継続的に取り組んでおり、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国といった諸学会との国際会議や合同シンポジウムも開催しています。
本学会員で国際司法裁判所(ICJ) の裁判官も勤められた小田滋氏より多額のご寄付を受け、2013年度より若手による研究を奨励・顕彰する小田滋賞を設けると共に、2014年の研究大会より世界の第一線級の国際法研究者を招聘して討論を行う小田滋ICJ判事記念レクチャーシリーズを2年に1度開催しています。
また、近年は、本学会の学会員に限らず、知的蓄積を広く社会と共有する活動も、積極的に行うため、2013年よりエキスパート・コメントの公表や市民講座の開催を行っています。
2014年からは、アジア諸外国から学生が参加するアジアカップ国際法模擬裁判大会を、外務省国際法局国際法課と共催しています。
年表
| 1897年(明治30 年) | 3月4日 国際法学会創設、第1回例会 |
|---|---|
| 1902年(明治35 年) | 2月『 国際法雑誌』発刊(「発刊の辞」『同』(1巻)1号1頁以下)(~10巻10号まで) |
| 1912年(大正元年) | 10月『 国際法雑誌』を『国際法外交雑誌』へ改題(「改題之辞」『 同』11巻1号7頁以下)(現在に続く) |
| 1930年(昭和5 年) | 7月 国際連盟主催、国際法典編纂会議(ハーグ) への仮確定草 案の提出 |
| 1941年(昭和16 年) | 12月 財団法人の設立認可 |
| 1947年(昭和22 年) | 10月13日 第一回研究会 以後年に春秋2回の研究大会を開催 |
| 1948年(昭和23年) | 4月2日、3日 国際法学会創立50周年記念総会『(国際法外交雑誌』48巻1号1頁以下) ※1年延期して開催 |
| 1972年(昭和47年) | 10月7日、8日 国際法学会創立75周年記念公演・記念式典(『国際法外交雑誌』71巻 5/6号267頁以下) |
| 1997年(平成9年) | 創立100周年記念大会(『国際法外交雑誌』96巻4/5号277頁以下) |
| 2012年10月1日 | 一般財団法人へ移行 |
| 2012年10月 | 研究大会をはじめてコンベンション方式で開催 |
| 2013年10月 | 研究大会の頻度・期間を年1回の3日間に変更、小田滋賞の創設 |
| 2014年8月 | アジアカップ国際法模擬裁判大会を外務省国際法局国際法課と共催( 現在に至る) |
| 2014年9月 | 小田滋 ICJ 判事記念レクチャーシリーズの開始 |
| 2025年8月 | 研究大会の開催方式として対面とオンラインのハイブリッド開催の試行的導入(再来年以降もハイブリッドの場合は「試行的」を除くことになります。) |